語感がないと
語感がないと例えばどういうことになるのか?少し極端な例ではありますが、実際にある日本人の書いたメールの文言を見ながら説明しましょう。
- 背景はこうです。ある日本の会社「あいうえお」で、アメリカの会社「ABC」との共同プロジェクトを担当するマネージャーXさんがいます。とある問題点をめぐって両者の関係は硬直化しつつあります:
- アメリカの会社「ABC]の担当者、Steveは遅々として進まない会社「あいうえお」側の対応策の回答にやきもきしていました。
- 反対に会社「あいうえお」のXさんは、連日社内で会議を開いて解決策のまとめを作成しようとしているのですが、会社「ABC]側からの情報不足の部分があるため結論に至りません。Steveに情報不足の件を連絡しているのですが、連絡もありません。
- そんな時、いらいらしていたSteveはXさんの上司Mに、「あいうえお」側の対応の遅れで問題点が解決されず、このままではプロジェクト全体の遅れが発生してしまう」という旨のメールを出します。
- 上司は早速Xさんを呼びつけ、早急に事態の収拾をはかるように指示を出します。Xさんは直接自分の上司に連絡されたこと、会社「ABC]の情報不足の件には全く触れてもいないことなどから心中穏やかではありません。
- そんな状況におかれたXさんは、目を三角にしながら次のようなメールをSteveに出しました(単語の使い方・文章の作りかたは原文のままです。文法ミス、フォーマットの乱れ、関係のない詳細は修正もしくは取り除いてあります):
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Steve-san,
I am very surprised at the note you sent to Mr. M regarding the issue. Firstly, please understand that I have been trying to develop a proposal through daily internal meetings.
One of the problems is the missing information from you about the operation process. Without the information, ......... (長いので中略)......... So, you'd better send me the information as soon as possible.
Again, please understand that I am working hard on this. Thanks.
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- さてどうでしょう?日本人が読めばXさんの気持ちが生々しく伝わってくるような文章ですが、それはあくまでも日本語であれば、です。しかし欧米の文化に基づいて英語の語感でこれを読むとなんともピンとこない文章です。
- 次ページで検証してみましょう。時間があれば皆さんもどこがそうなのか考えてみておいてください。